Lun's porte

私のどうでもいい私生活の扉

「聖女マドンナ」(短編小説)

僕のマドンナ。

 

 

手に入れることは絶対に不可能なマドンナ。

 

 

僕よりも大人で、振る舞いがスマートでさ

僧のような人が似合うんだ。

 

 

 

だって、そうだろう?

 

 

 

でも、彼女は聖女だから、

誰も手を出すことができない。

 

 

 

君だって、そこの彼だってね。

絶対に無理だ。

 

 

 

 

 

 

僕のマドンナは誰からも憧れる存在。

僕だってその中の1人に過ぎないよ。

 

 

それ以上でもそれ以下でもない。

 

 

もしかしたら、なんて

高望みすらしない。しようと思っても

絶対に無理なんだ。

 

 

聖女で清女でもある彼女のことを

人の手で汚すことなんて以ての外だし。

 

 

 

でもね

だからこそ神秘的な優美さが溢れていて

僕ら全てを魅了するんだ。

 

 

 

一度でいいから、マドンナの肌に触れたい。

 

 

そんな気持ちは溝の中に捨てなければならないのは分かっている。

 

 

 

 

 

ああ、もどかしいな。

 

いっそ、彼女の子どもになりたかった。

 

 

 

彼女の聖なる血液を

彼女の乳房からゆっくりと取り入れ

 

 

満たしたい

 

満たしたい

 

満たしたい

 

 

 

僕の一部が彼女で染まって……

 

 

 

 

 

うわ、とっても罰当たりな。

ダメだダメだ、無理な話なのに。

 

もう彼女はいないけれど、

こんなことしていたら心が惨めになるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

今日は日曜日。

 

 

 

僕は教会へ向かうことにするよ。

 

fin.